転轍器

古き良き時代の鉄道情景

ED421

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 信越本線碓氷峠のことは趣味誌や写真集、また文学作品や紀行文で数多く採りあげられているので、自分の中では良く知っているような錯覚を起こしている。実際に列車で峠を越え、横川駅前に鎮座しているED421を初めて見た時、誌上の知識だけでは味わえない臨場感と実物の迫力を実感した。改めて碓氷峠の歴史に目を向ける契機となった。

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 まるで蒸気機関車を見るような動力伝動の連結棒。真ん中の電動機を中心に連結棒が上下して2軸の動輪が回転する光景を想像する。

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 機関車の横に国産アプト式鉄道とED421の概略が書かれた説明板が掲出されている。それによるとED42は電動機が3個あり、2個は動輪の回転に、中央の1個はラック台車用であること、集電は駅間が第3軌条で、構内はパンタグラフからとること、運転は3輛を横川方、1輛を軽井沢方に付け列車をはさんで合計4輛で運転すること等が書かれている。

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 ED42の運転席は横川方にしかなく、運転室扉は端面にある異色のスタイルである。台車から伸びる第3軌条への集電子の様子がわかる。赤い反射板が付いた標識灯は1個欠けていた。 横川 S50(1975)/6/15