転轍器

古き良き時代の鉄道情景

C57115 急行牽引の予感

 昭和47年も押し迫った年の瀬に、宗太郎峠をめざして夜行急行“みやざき”に乗車すべく大分駅へ向かう。地下道からホームに駆け上がったちょうどその時、留置車輛の向こう側で蒸気機関車牽引の列車が出て行った。照明塔に照らされた白煙と鈍く光る12系客車を目の当たりにする。日向路ならよくある光景も、ここは日豊路、目を疑った。急行“みやざき”の14分前に出る同じく宮崎行の臨時急行“日南51号”が運転されていたことを後になって知る。

 翌日気になって大分運転所へ向かう。扇形庫の番をしていたC57115〔大〕は頭を上り向きにして給炭線に入っていた。やはり動いている。急行列車を牽いて帰区したところだろう。 大分運転所 S47(1972)/12/30

 その後給炭線から転車台へ載り転向、庫へ入るようだ。

 石炭は山盛りだ。庫に入るという事はこの日の夜半の運用は無いということだ。次、動くのはいつだろうか。ますます胸踊る。

 この時、後の南延岡機関区のナンバーとなる2つ目のD51505・D511122・D51871が顔を見せて並んでいた。扇形庫後方は気動車線が延びているのがわかる。ターンテーブルのかわいい形をしたキャブはガイドレールに載る車輪のカバーが開いている。 大分運転所 S47(1972)/12/30