転轍器

古き良き時代の鉄道情景

久大本線 玖珠川渓谷のD60と8620

 きれいな日田杉に囲まれた深い谷を跨ぐ鉄橋を川原から見上げる。朝日を浴び轟音を響かせて行く列車は8620の牽く鳥栖豊後森行629レで、渓谷に煙が棚引く。 久大本線天ヶ瀬~杉河内 第9玖珠川橋梁 S45(1970)/8/3

 日田から豊後森にかけて玖珠川の渓谷沿いを走る久大本線は山と川が織りなす絶景を通る魅惑の路線であった。蛇行する玖珠川を渡る鉄橋はどれも美しく、周りの景色と溶け合って素晴らしい構図を見せてくれた。

 杉河内から北山田にかけては玖珠盆地へ這い上がる急勾配が待っている。日田杉の美林を背景に豊後森行635レを従えたD6063〔大〕が力強く進む。 久大本線杉河内~北山田 第10玖珠川橋梁 S45(1970)/8/4

 玖珠川左岸の山の中腹から第10玖珠川橋梁を俯瞰する。404mの滝瀬隧道を抜け、険しい断崖絶壁に沿って8620の牽く貨物列車が下りて来る。 694レ 久大本線杉河内~北山田 第10玖珠川橋梁 S44(1969)/4/10

 D6067〔大〕のサイドビューがとても恰好良く見える。オハユニ61とオハニ61を従えて上り勾配に挑む。 635レ 久大本線杉河内~北山田 第10玖珠川橋梁 S45(1970)/8/3

 長角トンネルを出ると第7玖珠川橋梁を渡り天ヶ瀬に着く。68660〔森〕がワフ21000の付いた貨物列車を牽いて姿を現した。 693レ 久大本線豊後中川~天ヶ瀬 S44(1969)/4/10

 玖珠川左岸の水門の見える位置からD60の牽く上り列車を見る。 638レ 久大本線豊後中川~天ヶ瀬 第7玖珠川橋梁 S44(1969)/4/10

 日田杉の山々と穏やかに流れる玖珠川の美しい景色の中、短い貨物列車が優雅に鉄橋を渡る。 694レ 久大本線豊後中川~天ヶ瀬 第6玖珠川橋梁 S44(1969)/7/26

 川岸の田んぼからD6062〔大〕牽引の豊後森行下り列車を見送る。第6鉄橋は橋脚の高さが他と比べて低いので急峻な渓谷とはまた違った趣きがある。 635レ 久大本線豊後中川~天ヶ瀬 第6玖珠川橋梁 S44(1969)/7/26

 写真提供:神奈川県小川秀三さん
 小川さんは久大本線の風光明媚な構図に幾度も挑戦し数々の傑作を残しておられる。昭和40年代のD60と8620の活躍を、今改めて堪能できるのは望外の幸せで感謝申しあげます。
 当時撮影者には有名であった門司港発肥薩・吉都線経由都城行1121列車を軸とした撮影旅行とお聞きした。連続夜行の疲れはものともせず、駅から狙いを定めた撮影地まで未舗装の道路を車から巻き上げられた埃を被りながら歩き、俯瞰最適とあらば汗をかいて山にも登った回顧談をお聞きすると、ここに掲載させていただいた写真に感動と敬服の念を覚える。

 

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