転轍器

古き良き時代の鉄道情景

日田彦山線 県境の残映

 久大本線を始めとして各地の沿線で四季折々の鉄道風景を撮り続けておられる大分市の渡邉邦治さんに「古き良き時代」に撮った日田彦山線の写真がないかお願いした。押入れを探してやっと出てきたという写真は驚くかな、賑やかで活気溢れる夜明駅と山峡を跨ぐ宝珠山橋梁が写っていた。貴重な記録を年代順に並べてみると、日田彦山線が通る福岡県と大分県の県境の情景を思い浮かべることができた。私にとって感動の光景、憧れの場面で、写真発掘していただいた渡邉邦治さんに感謝申し上げます。

 国鉄時代の夜明駅は蒸機時代の名残りが垣間見える駅舎と嵩上げされていないホーム、それに貨物側線も健在であった。朝の賑わいが伝わる2番線はDE101133〔大〕率いる鳥栖豊後森行629レ、向かいの3番線日田彦山線ホームは日田発小倉行728Dがアイドリングしている。629レは7:46着7:47発、728Dは7:42着7:51発なので2本の列車が並ぶのは僅か1分、緊張のシャッターチャンスであったと思われる。 傘の花咲く夜明駅 S61(1986)5/16 撮影:大分市 渡邉邦治さん

 天ヶ瀬発小倉行快速“日田”キハ58+キハ65+キハ58の強力3連が宝珠山橋梁を行く。博多・直方と由布院を結んだ急行“日田”は他の日田彦山線を走る急行とともに快速化され、民営化以降も運転区間は短縮されたたものの唯一の快速の地位を保っていた。 2734D 日田彦山線筑前岩屋~大行司  S62(1987)/6/16 撮影:大分市 渡邉邦治さん

 田植えの終わった棚田の向こうにそびえるコンクリートアーチ橋にキハ66系のエンジン音が響きわたる。 小倉発日田行727D 日田彦山線筑前岩屋~大行司 S62(1987)/6/16 撮影:大分市 渡邉邦治さん

 霧に霞む桜咲く夜明駅ラッシュアワー 
 2番線久大本線下りはDE101173〔大〕牽引の鳥栖豊後森行50系客車625レ、3番線日田彦山線上りはキハ28+キハ28の日田発小倉経由直方行732D。この列車の運転経路は複雑で、小倉到着後は快速直方行3635Dとなって鹿児島本線を下る。直方の基地へ帰る運用ではないかと思われる。 S63(1988)/4/13 撮影:大分市 渡邉邦治さん