転轍器

古き良き時代の鉄道情景

急行“ゆのか”

 “ゆのか”は博多ー日田ー別府ー博多と九州半周する循環急行であった。日豊本線幸崎電化の1年後のヨンサントオで“ゆのか”は電車化されて運転区間は博多ー小倉ー大分に、久大本線部分は“由布”として博多ー日田ー別府に分割され、区間と愛称名が分けられた。撮影時の昭和44年は4往復半が設定されて、下り1本だけ気動車で運転されていた。

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 電車投入半年後、60ヘルツ用クリーム帯を巻いた真新しい475系の“ゆのか2号”と出会う。編成は下り寄りクハ455+モハ474+クモハ475+サハシ455+サロ455+モハ474+クモハ475の7連で運用されていた。引上線で待機する58652〔大〕は“彗星”の大分落し附属編成を迎えるため進路が開くのを待っている。 1502M“ゆのか2号” 大分 S44(1969)/9

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 “ゆのか”は下り5本、上り4本が運転されていた。上下4往復は475系電車で、下り1本は気動車の運用であった。475系電車が足りなくて気動車を使っていたのだろうと思っていたが、実は複雑な気動車運用の妙で、下り“ゆのか”1本は気動車でなくてはならない理由があった。上りだけの大分発長崎・佐世保行“いなさ・弓張”を仕立てる為だったのである。写真は車の流れも少ない別大海岸を走るバス窓のキハ55初期形を先頭にした1509D“ゆのか2号”で、折返し長崎・佐世保行になるのでたぶん8輛編成と思われる。 日豊本線東別府~西大分 S44(1969)/6

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 回送の“ゆのか2号”7輛編成が下郡信号場から豊肥本線で大分構内に入る。博多までの停車駅は大分を出ると別府ー亀川ー杵築ー宇佐ー柳ヶ浦ー中津ー行橋ー小倉ー戸畑ー黒崎で所用時間は3時間07分、表定速度は65.5Km/hであった。回1504M 大分 S46(1971)/8