3月28日掲載の「豊橋の並び」で1番線の半流顔の車輛は『前面の特ちょうからクハ68406ではないか』と記してしまった。さっそく東京都の「大森工場」さんからそれは間違いの指摘をいただいた。『クハは、乗務員室の側開戸脇、昇降ステップが無いのが通例』との事。アドバイスからこの車輛はクモハ54119〔静トヨ〕で、この時以降に運転席窓上のベンチレーターと関西形独自の球形通風器が撤去されたものと思われる。
何とかこの顔の正体を知りたいと当初はクモハ51・53・54の可能性で探ってみたが、あの丸い標識灯のような通風器が備わっている顔に出会わなかったので、それならばクハ68かもと思い、クハ68406に例の通風器が付いていたので錯覚してしまった。大森工場さんのご案内に感謝するとともに一知半解の自分を戒める。
3月28日掲載の写真とテキスト
豊橋ターミナルは飯田線がかつて私鉄であったことを物語っているのか、飯田線乗場は頭端式のホーム構造であった。画面右側の駅本屋側からホームを見ると、タイプの異なる電車が並んでいた。1番線は半流顔の、2番線は切妻でさしずめクハ68とクハ47であろうか。
半流顔はクモハ54にも見えるが、標識灯のような丸形の物(これは通風器らしい)、前面窓上の通風器と運行窓を備えていることからクハ68で的を絞る。昭和50(1975)年3月時点の配置表でクハ68は豊橋7、中部天竜4、伊那松島10が配置されていた。書籍やWeb上に掲載された写真と照らし合せた結果、前面の特ちょうからクハ68406〔静ママ〕ではないかと思われる。
切妻顔はクハ47で合っているだろうか。同上の配置表でクハ47は豊橋1、中部天竜1、伊那松島12が配置されていた。前歴や分類は不明のまま、いろんなパターンがある中で完全切妻、客車のようなキャンバス押えが付いているのはクハ47011とクハ47 150番台があった。前燈灯が屋根上にあるのはクハ47011だけで、運転席横の屋根上に登るステップが付いていることからも、クハ47011〔静ママ〕ではないかと思っている。