転轍器

古き良き時代の鉄道情景

市棚

 市棚駅は2面3線で1列車退避中に2列車交換ができる配線になっていた。蒸機時代はD51貨物列車、DF50の牽く急行列車、普通列車の3列車が並ぶ光景が魅力であった。その時代に降り立つことはかなわなかったが国鉄時代最後の秋にふと立寄ってみた。ちょうど別府発西鹿児島行“にちりん1号”が通過するところであった。 3011M 日豊本線市棚 S61(1986)/10

 下り列車は駅を出ると刈鉢トンネルに入り北川へ向かう。宗太郎越のサミット重岡から続いた長い下り勾配はここで終わりとなる。並走する国道脇に建つ三菱石油ロゴマークが懐かしい。

 鹿児島のED761000番台と遭遇する。昭和53年の配置表によるとED761000番台は総数14輛で、遭遇したナンバーはED761018だったので不思議に思い、改めて趣味誌を紐解くこととなった。昭和54年10月の日豊本線南宮崎~鹿児島間電化開業に備えED761015~1023が製造されたことがわかった。さらに鹿児島本線限定と思っていた運用も日豊本線長崎本線佐世保線と九州全域で稼働していたことを知る。 ED761018〔鹿〕 日豊本線市棚 S61(1986)/10