蒸機基地で撮った写真はどれも形式写真風の頭から尻尾まで収まった紋切形ばかりであるが、中には何を撮りたかったのか理解に苦しむ部分写真も存在していた。今振り返って見ると、同じD51でもキャブ右サイドの装備はそれぞれ個性があることに気づく。 D511032〔延〕とD519〔延〕 大分運転所 S47(1972)/6
D511032〔延〕の右サイドを近くから見る。三菱の銘板と「積12.5/空9.0」換算標記がよくわかる。ボイラ上に突出した物は「架線注意」標識が付いた発電機とATS発電機のようだ。かまぼこ形ドームの形状もよくわかる。ランニングボード上は大きい箱が清缶剤タンク、小さい箱は油ポンプ箱であろうか。
D519〔延〕右サイド後方から見るなめくじドームは丸味のラインが強調され、まるで潜水艦のシルエットのように見える。主発電機とATS発電機はD511032と同様であるがパイピングが若干ちがうように見える。ボイラサイドを這う手摺りや砂撒き管、給水ポンプへつながる配管等が複雑に絡み合う様は蒸機の魅力といえる。