転轍器

古き良き時代の鉄道情景

列車案内表示装置

 昭和50年代に見ていたテレビ番組「ザ・ベストテン」は週ごとの楽曲のランキングをフラップ式の表示板がパタパタと音を立てて回転させていたのが印象的で、まるで駅の列車表示機を見るようであったのを思い出す。

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 新幹線ホームから在来線乗換口に向かうと、新幹線特急券の回収と乗継切符の確認で乗客の長い列ができる。乗継改札口の上には横一列の黒い列車案内板が目に飛び込んでくる。順番待ちで歩が止まったので何気なく撮ったスナップと思われる。WEBで調べると正式な名称は「反転フラップ式案内表示装置」というらしい。文字の書体は懐かしい国鉄時代の「すみ丸ゴシック」ではないだろうか。パタパタと音をたてて回る様子は旅の気分を高揚させる。 小倉 S58(1983)/11/20

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 鹿児島線下りを見る。22:00発は西鹿児島発博多行“にちりん52号”、22:33発は夜行急行“かいもん”、22:10発は小郡から九州入りの南福岡行。上りは22:06発は長崎発大阪行“あかつき2号”が停車、佐世保発の筑豊線回りは通過して次の門司で併結する。日豊線日田彦山線に目をやるといずれも最終列車で、21:47小倉発大分行は“にちりん”の最終、21:51発は日田彦山線最終添田行、22:13発は日豊線最終柳ヶ浦行である。日豊線回りの夜行“日南”は23:03発、別府経由西鹿児島行の案内であった。旅情漂うひと時だ。 小倉 S58(1983)/11/20

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 時刻表昭和58年5月号から小倉駅のりば案内を見る。あの迫力ある列車案内表示装置は新幹線コンコースからつづく乗りつぎ改札口上に設置されていた。日頃急いで歩く駅構内の設備に目を向けることはなかったが、運よくあの頃の国鉄時代を撮っていた。

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 当然ではあるがホームにも上屋から吊り下げ式の列車案内表示装置があった。それを撮ったわけではないが、423系電車の頭合せにたまたま写っていた。この電車は鹿児島線下りの案内にあった6番線21:38発荒尾行で、南福岡以南は最終電車となる。疲れた乗客の姿は1日の終わりを物語っているようだ。 189M 小倉 S58(1983)/11/20